金沢市中心部をぐるりと結ぶ「百万石通り」は、金沢観光の要とも呼べる幹線道路です。金沢駅周辺から近江町市場、尾山神社、香林坊・片町、兼六園、ひがし茶屋街へとつながり、街の魅力が詰まったラインを歩いて巡ることができます。本記事では百万石通りの概要や歴史、アクセス方法、沿道の観光スポットなどをわかりやすく紹介します。
金沢の主要幹線・百万石通りの概要
金沢市街地では主要な観光名所が狭い範囲にまとまっており、「百万石通り」はそれらを一周する幹線道路です。ルート全体の長さは約4.3kmで、皇居のランニングコース(約5km)とほぼ同じ規模です。ただ歩けば1周1時間台で歩ける距離に、金沢城や兼六園、尾山神社など街の代表的な見どころが集まっています。
金沢の観光名所を結ぶ道路
百万石通りは金沢駅から始まる国道159号や県道などで構成されており、街の中心部をぐるりと回遊します。通りの沿線には近江町市場(武蔵交差点)、尾山神社(尾山神社前交差点近く)、香林坊・片町(香林坊交差点)、兼六園・金沢城(兼六園下交差点)、ひがし茶屋街(橋場交差点)といった人気スポットが並んでいます。通りを歩けば「どこへ行っても金沢の中心街」、という感覚で観光が楽しめます。
- 武蔵交差点(近江町市場)
- 尾山神社(尾山町交差点)
- 香林坊交差点(香林坊・片町商店街)
- 広坂交差点~兼六園下交差点(兼六園、21世紀美術館)
- 橋場交差点(ひがし茶屋街、主計町茶屋街)
周回ルートと所要時間
百万石通りは環状に近い形状で、おおむね金沢駅東口(鼓門前)から出発できます。例として金沢駅から鼓門を抜け、武蔵交差点を経て香林坊交差点、兼六園下交差点、橋場交差点へと一回りし再び武蔵交差点へ戻るコースが一般的です。全体で約4.3kmなので、歩く速度や立ち寄り時間にもよりますが、主要スポットを訪れながらでも3~4時間程度で一周できます。休憩時間を含めると半日程度の計画が目安です。もちろん面倒であれば途中でバスを使い、主要交差点間を移動することもできます。
金沢駅~香林坊間の都市風景
百万石通りの南端、武蔵交差点付近は近江町市場など商業の中心で賑わいます。そこから香林坊交差点までの区間はビジネス街と繁華街が混在するエリアで、かつては北陸有数のオフィス街でした。近年ではオフィスビルがホテルや商業施設に変わる変化も見られます。武蔵交差点から少し進むと前田利家公を祀る尾山神社が現れ、その先に続く香林坊・片町エリアは上品なショッピング街として人気です。古い町並みと近代的な建物が入り混じる独特の雰囲気が、21世紀の金沢を象徴しています。
百万石通りの歴史と名前の由来

「百万石」という名称は、江戸時代の加賀藩主前田家が領する経済力を表す言葉です。加賀藩の石高は百万石を超え、豊かな経済基盤を誇ったことから、現在も金沢の代名詞として使われます。百万石通りという名前が使われ始めたのは戦後のことで、観光資源でもある「百万石まつり」から着想を得ています。毎年6月に開催される百万石まつりの行列は金沢城から市街地を練り歩くもので、祭りの道路として整備された経緯もあります。現代の百萬石通りは市街地を結ぶ幹線道路として整備され、金沢駅から主要交差点へ続くルートをまとめて一般に呼ぶようになりました。
「百万石」の意味と前田氏
加賀藩主の前田家は江戸時代、第三代藩主前田利常のときに国家の石高(年貢米の量)が100万石以上とされました。この「百万石」は加賀藩の繁栄を象徴し、金沢の人々にとって自慢でもありました。百万石通りという名称は、この加賀藩の富裕な歴史への敬意から名付けられたものであり、通り沿いでは歴史的・文化的な施設が今でも大切に保存されています。
伝統行事と祭りの中心地
金沢では毎年5月末から6月初めに「百万石まつり」が開催され、豪華絢爛な時代行列が市内を練り歩きます。行列は金沢駅東口の鼓門から出発し、金沢城まで約4kmのコースで進みます。百萬石通り周辺もこの行列ルートの一部となっており、祭り当日は河岸が歩行者天国になる区間もあります。観光客はこの祭礼を目当てに全国から訪れ、まつり期間中は百万石通り周辺がいつも以上に賑わいます。なお、まつり当日は大規模な交通規制があるため、通行止めになる区間やバス路線の変更に注意が必要です。
道路の整備と現代まで
百萬石通りのルーツは近代以降の市街地整備にあります。街の中心部を一周する幹線道路として、国道159号や157号、県道などにまたがる形で整備されてきました。特に昭和後期から平成にかけて、金沢城周辺や広坂通り(旧広坂)の拡幅・整備が進み、現在のように街の主要観光地をつなぐ通りとして定着しました。21世紀には城址公園・兼六園エリアが観光の核となり、百萬石通りの重要性はますます増しています。
金沢駅から百万石通りへのアクセス

金沢観光の起点となる金沢駅から百萬石通りへは徒歩・バス・タクシーなどさまざまな方法でアクセスできます。金沢駅周辺から通りまでの道のりはわかりやすく、初めて訪れる人も迷わずに行けるルートです。
金沢駅からの徒歩ルート
金沢駅の鼓門(東広場)を出て金沢駅前通りをまっすぐ進むと、武蔵交差点に着きます。徒歩ではおよそ10分程度で到着し、鼓門からも目印がついているため迷いにくい経路です。武蔵交差点に到着すると、左手に近江町市場のビル群が見えてくるので、市場散策のついでに百萬石通り巡りを始めるのに便利です。駅から片町・香林坊方面へ行く場合は兼六園口(西口)から出て香林坊へ向かう方法もありますが、主要交差点をぐるりと巡るなら東口経由がおすすめです。
周遊バス・路線バスでの利用
金沢市内には観光客向けの「城下まち金沢周遊バス」が運行しており、百萬石通り沿いの主要スポットを循環しています。右回り・左回りのルートがあり、どちらも間隔15~20分程度で走っているので便利です。たとえば金沢駅東口7番乗り場から乗車し、武蔵ヶ辻・近江町市場バス停で下車すると百萬石通りにすぐ出られます。また、一般の路線バスも武蔵交差点や香林坊などを経由するものがあるため、効率的に移動可能です。さらに荷物が多い場合や時間を短縮したい場合は、タクシー利用も選択肢の一つです。
百万石通り沿いの観光スポット
百万石通りを歩けば金沢の名所が次々と現れます。ここでは通り沿いの代表的な観光スポットを主な交差点ごとに紹介します。
近江町市場(武蔵交差点付近)
武蔵交差点付近にある近江町市場は「金沢の台所」と呼ばれる有名スポットです。新鮮な海産物や地元食材が揃い、観光客はもちろん地元民にも人気があります。百萬石通りに面した入口から市場内に入れば、寿司店やおでん屋など市場グルメも豊富。食べ歩きやおみやげ探しにぴったりです。早朝から営業する店が多く、活気ある市場の雰囲気は金沢旅行の醍醐味といえます。秋冬はカニや寒ブリ、春はホタルイカやノドグロなど旬の味覚を楽しめるのも嬉しいポイントです。
尾山神社と香林坊エリア
近江町市場から百萬石通り沿いに少し北へ進むと、藩祖・前田利家公を祀る尾山神社があります。ステンドグラスをあしらった神門(楼門)が特徴で、明治・大正時代の様式を残す楼門は金沢のシンボル的存在です。尾山神社の先にある香林坊交差点は金沢随一の繁華街で、ファッションビルや百貨店、カフェやレストランが建ち並びます。特に香林坊109や金沢東急スクエアなどショッピング施設が集積し、現代的な買い物やグルメも楽しめます。古い寺社と新しい商業施設が共存する、金沢らしいエリアです。
兼六園・21世紀美術館(広坂交差点付近)
香林坊交差点からさらに北へ進むと、文化施設が立ち並ぶ広坂交差点に出ます。ここには円形の美しい建築が特徴の金沢21世紀美術館があります。館内は体験型アートで有名で、館外からもプール作品やガラス張りの展示室が見渡せ、観光客に人気です。その先すぐに兼六園下交差点があり、石川県立美術館、石川県立歴史博物館などが集まる「本多の森」エリアを過ぎると兼六園の入口です。兼六園は日本三名園のひとつで、四季折々の風景が楽しめる庭園。広坂~兼六園下間は平坦で歩きやすく、美術館見学と庭園散策をセットで巡る観光ルートに最適です。
ひがし茶屋街・主計町茶屋街(橋場交差点付近)
百萬石通りの北端、橋場交差点にたどりつくと浅野川対岸の風情ある茶屋街が目の前に広がります。ひがし茶屋街は伝統的な町家造りが残る格子窓の並ぶ通りで、抹茶や甘味処、金箔アクセサリー店などが軒を連ねます。川沿いを少し歩いた先には主計町茶屋街もあり、こちらは静かな佇まいの中で川床風の飲食が楽しめます。夜になると灯籠や桜のライトアップで一層風情が増す観光スポットで、カメラ片手に散策するのもおすすめです。
グルメとショッピング:百万石通り周辺の楽しみ方

百万石通り沿いには金沢を代表するグルメやおみやげスポットも豊富です。観光の合間に味わいたい名物や、金沢ならではの買物ができるエリアを見ていきましょう。
近江町市場の海鮮グルメ
近江町市場では新鮮な海の幸を使ったグルメが充実しています。市場内には寿司店や海鮮丼のお店が多数あり、旬の魚介を普段より安く味わえます。特に冬場は香箱ガニ(ズワイガニの雌)やノドグロ、寒ブリなど北陸ならではの高級魚が並び、地元民も買い求めに訪れます。訪問者は観光客向けの市場食堂で居ながらにして味覚堪能巻を楽しめるのも魅力。おみやげ店では干物や鮮魚加工品、地酒など地元の味を持ち帰ることもできます。
香林坊・片町ショッピングストリート
香林坊・片町エリアは百萬石通りの南端に位置する繁華街で、金沢随一のショッピングスポットです。香林坊には駅前から屋根付きアーケードの「香林坊東急スクエア」や老舗デパート「香林坊大和」、ファッションビルの香林坊109があり、ファッションから雑貨、カフェまで幅広い店が並びます。また片町エリアには「片町きらら」といった複合商業施設や、地元民に愛される武蔵もんぞう餃子、金沢カレーブームの店などグルメスポットも点在。伝統工芸品を扱うショップも多く、和のテイストを生かしたアイテムを探すのも楽しいエリアです。
ひがし茶屋街の和菓子・カフェ巡り
ひがし茶屋街周辺では金箔ソフトクリームや加賀棒茶ラテなど金沢らしいスイーツや軽食を提供する茶店が人気です。伝統的な町家を改装したカフェで抹茶や金沢銘菓を味わえば、歩き疲れも癒やされます。また金箔貼り体験ができる店や、金箔容器に入った化粧品なども販売しており、おみやげ探しにも最適です。夜になると飲食店がライトアップされ、川沿いの風情ある景色を楽しみながら地元料理や金沢おでん、加賀野菜を使ったおつまみを味わうこともできます。
百万石通りを巡るおすすめ散策ルート
百萬石通りは徒歩で十分に巡ることができるコンパクトな観光エリアです。ここではおすすめの周遊パターンと移動手段について解説します。
徒歩で巡る1周モデルコース
徒歩のみで巡るなら、まず金沢駅東口から鼓門を抜け武蔵交差点へ出ましょう。近江町市場で朝食や買い物を楽しんだ後、尾山神社と香林坊・片町地区を経由し、広坂交差点の21世紀美術館や兼六園まで足を延ばします。さらに兼六園で歴史ある庭園を満喫したら、橋場交差点から浅野川に沿ってひがし茶屋街へ移動します。ひがし茶屋街→主計町を観光したあとは、再び橋場交差点を通り、武蔵交差点方面へ戻るルートがおすすめです。このように一筆書きに近い形で回ると効率的です。
まちなか周遊バスの利用
時間や足に自信がない場合は、市内周遊バスの活用が便利です。右回り・左回り両系統が約15~20分間隔で運行しており、金沢駅東口を起点に主要スポットを巡ります。たとえば武蔵交差点で下車して近江町市場に寄り、その後バスで香林坊や兼六園口方面に移動する方法も有効です。バスで郊外の兼六園下停留所まで行き、兼六園訪問後に別のルートで駅方面へ戻るといった周遊プランも組めます。乗り降り自由の一日フリーパス切符を使うとさらにお得に観光できます。
四季折々の見どころ
百萬石通りエリアは四季を通じて見どころがあります。春は兼六園や兼六坂沿いの桜並木、広坂のしいのき迎賓館周辺の紅白花壇、ひがし茶屋街の夜桜ライトアップなど、歩いていて季節感を楽しめます。夏には浅野川での夜の宴や石川県立音楽堂での野外コンサート、秋は兼六園や本多の森公園の紅葉、冬は雪吊りで有名な兼六園の風景が見ものです。なお、一年を通じて百万石まつりや春夏秋冬のイベントが開催されており、街中で季節行事を体験しながら散策できます。
まとめ
金沢観光では百萬石通りが案内役となり、主要スポットを無理なくめぐることができます。歩いてもバスでもアクセスしやすいこの通りは、金沢城・兼六園、尾山神社やひがし茶屋街、近江町市場など見逃せない名所が集結しています。道沿いには伝統と現代が調和した街並みが広がり、四季折々の風情が味わえます。初めて訪れる方は特に、百萬石通りを意識して移動ルートを組むことで金沢の魅力を余すところなく楽しめるでしょう。
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