金沢の暗がり坂はどんな場所?古都情緒漂う石段【魅力探訪】

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ディープスポット

金沢の主計町(かずえまち)茶屋街の路地奥にひっそりと続く石段坂「暗がり坂」は、古い町並みに溶け込む風情ある観光スポットです。
昼間でも周囲の家屋が陽光を遮るため薄暗く、訪れればまるで江戸時代にタイムスリップしたような気分になります。
主計町茶屋街は賑やかな東茶屋街の隣に位置する静かな花街で、こうした裏道散策が魅力。石段下には「まゆ月くらがり坂」など情緒あふれるカフェやBARがあり、散策の合間にホッと一息つける点も人気です。
ここでは暗がり坂の歴史や名前の由来、散策ルートや周辺情報などをたっぷりご紹介します。

金沢の暗がり坂とはどんな場所なのか?

石段が並ぶ暗がり坂は、金沢の主計町茶屋街の裏手にある隠れた名所です。
狭い坂道には赤褐色の格子戸が続く町家が立ち並び、竹垣が高い土塀とともに石段を包み込んでいます。
周囲の建物に覆われることで昼間でも薄暗い雰囲気となり、石段を降りるにつれて独特の歴史的な情緒が伝わってきます。
まるで日常から非日常へと誘う路のように、訪れる人をゆったりとした古き良き時代の世界へといざなう坂道です。

歴史情緒あふれる石段坂

暗がり坂は主計町茶屋街の北側に位置する石段坂で、坂の上は町名にもなっている久保市乙剱宮(くぼいちおつるぎぐう)の
境内へと続いています。両側には1870年代から残る古い木造の町家が並び、建物の軒先が石段に迫るようにせり出しているのが特徴です。
石畳が奥へと延びていく光景は金沢城下町時代の情緒を今に伝えるシーンであり、歩を進めるほどに往時の雰囲気が強く感じられます。

また暗がり坂から見下ろすと、主計町茶屋街の出格子や昔ながらの街灯が上から眺められます。少し視線を上げると、石段の向こう
にひがし茶屋街方面の町並みも見え、石川の伝統的な街並みが眼前に広がります。この景観の豊かさこそ、暗がり坂を訪れる大きな魅力です。

昼間でも薄暗い独特の雰囲気

石段の両脇には背の高い土塀や竹垣が続き、頂上付近の建物も影となって坂下に日光が届きにくい構造になっています。
そのため昼間でも暗がり坂はどこか薄暗いのが特徴です。晴れた日中でも一部は影に覆われ、雨上がりや曇りの日には
幻想的な雰囲気が漂います。このような環境こそ「暗がり坂」と名付けられたゆえんです。

暗がり坂を歩く人々は、遮られた日光の中で幻想的な石畳を体験できます。昼の散策でも非日常の静けさに浸ることができ、
光と影のコントラストは写真にも映えます。石段の中腹あたりから見上げると、連なる格子戸と奥へと延びる石段の構図が
ダイナミックに撮影でき、フォトジェニックな風景となります。

写真映えする風景

細長い石段と軒先、そして格子戸からこぼれる光が織り成す風景は、写真映えする人気スポットです。暗がり坂は日中でも薄暗いため、
青白い石畳と黒い町家が鮮明なコントラストを作り出します。石畳の途中で振り返る構図は、連なる町家を背景にして石段の奥行きが
強調されるためおすすめです。

夕暮れ時はまた違った表情が現れます。町家に灯りがともると石畳や格子戸が柔らかく照らされ、幻想的な情緒が引き立ちます。
光と影が美しく映える暗がり坂は、歴史情緒あふれる風景を写真に収めたい方にとって絶好のスポットです。

暗がり坂の歴史や名前の由来

金沢の三大茶屋街の一つである主計町にある暗がり坂はその名の通り日中でも暗い坂道です。江戸時代には、金沢城下の旦那衆がひいきの芸妓に会いに行く際の裏道として使われていました。人目を避けるために急勾配な石段が敷かれ、両脇を建物に囲まれるような造りになりました。
雪吊りで有名な近隣の東茶屋街とは違い、ひっそりと静かな裏路地の雰囲気が今も色濃く残っています。

名前の由来: 暗がり坂と呼ばれる理由

暗がり坂は文字通り「暗い坂」という意味です。両側の家屋や土塀が光を遮るため、昼でも本当に薄暗い坂道となっています。
このような特徴から、昔の人々がいつしか「暗がり坂」と呼ぶようになりました。一方で、五木寛之氏が命名した「あかり坂」という石段坂も隣にあります。
その名は夕方以降に街灯の明かりが坂を照らすことに由来します。光と影のように対になる二つの名前が、金沢の風情をより深く彩っています。

暗がり坂とあかり坂は連続する小路で、お互いの情景を引き立て合っています。行きは薄暗い暗がり坂、帰りは明るいあかり坂を通ると、
違った雰囲気を両方楽しめます。光が少しずつ溶ける夕暮れ時に歩くと、この二つの坂の対比が一層印象深く感じられます。

かつての花街の裏道として活躍

暗がり坂はかつて、主計町茶屋街の裏道の一つとして利用されてきました。大正から昭和にかけて花街が栄え、多くの旦那衆が夕刻に芸妓さんに会いに訪れました。
暗がり坂は人目を避ける秘密のルートで、静かに茶屋へ通うための道として使われていたと伝わります。当時のまま残る石段を歩くと、往時の幕末・明治期の風情を肌で感じられます。

石段の上り下りの途中には江戸時代から続く茶屋建築が残り、町家の格子戸や街灯が連なります。通称「古町(ふるまち)」と呼ばれたこの付近は、花街文化の息吹がまだ色濃く感じられるスポットです。

あかり坂との関係

暗がり坂と対になる存在として、主計町茶屋街には「あかり坂(あかりざか)」があります。これは作家・五木寛之氏が作品の中で名付けたもので、暗がり坂が「暗い坂」であるのに対し、あかり坂は「明かりを灯す坂」という意味です。
暗がり坂からあかり坂へ繋がる裏路地を歩けば、まさに対照的な街並みが連なります。行きは薄暗い暗がり坂を下りて主計町へ進み、帰りは灯りのともるあかり坂を上ると、金沢特有の「陽と陰」の風景が心に残るでしょう。

暗がり坂周辺の観光スポットとグルメ

暗がり坂の周辺には金沢らしい歴史や文化に触れられるスポットが豊富にあります。坂上方面へ少し歩くと、金沢では珍しい赤い鳥居が目印の久保市乙剱宮(くぼいちおつるぎぐう)の境内があります。ここから浅野川方面へ抜けると、梅ノ橋を渡って金沢蓄音器館や泉鏡花記念館といった博物館が徒歩圏内に並びます。
また、主計町茶屋街の町並み自体も情緒あふれ、古い茶屋建築の雰囲気をじっくり堪能できます。散策の途中では裏通りの小路に迷い込むのも楽しいでしょう。

久保市乙剱宮と赤い鳥居

暗がり坂の石段を上りつめた先には、朱塗りの鳥居が立つ久保市乙剱宮があります。赤い鳥居は主計町の目印で、石段坂散策の終着点にふさわしい情景を演出します。鳥居をくぐってまず神社へ参拝する人も多く、小さな境内には静けさが広がっています。
風情ある朱色の鳥居と苔むした石段が歴史を感じさせ、金沢散策の締めくくりにぴったりのスポットです。

金沢蓄音器館・泉鏡花記念館

暗がり坂から文化の香り漂うスポットへも気軽に足を伸ばせます。金沢蓄音器館では、明治・大正期の珍しい蓄音機やSPレコードを間近で見学できます。ノスタルジックな音色を生み出す歴史的機器は、見ているだけで当時の雰囲気に浸れます。
泉鏡花記念館では、金沢出身の小説家・泉鏡花にまつわる資料を展示し、浪漫あふれる物語の世界を学べます。散策の合間にこれら博物館に立ち寄り、金沢の芸術や文化にも触れてみましょう。

情緒あふれる「まゆ月くらがり坂」カフェ

暗がり坂の坂下にある「まゆ月 くらがり坂」は、趣あるカフェバーです。アメリカ人画家クリフトン・カーフ氏の絵画を展示するギャラリーを改装した店内は、和洋折衷の落ち着く空間。
昼は香り高い珈琲や和スイーツを、夜は歴史情緒あふれるバータイムメニューを味わえます。石段散策で冷えた体を温める休憩にぴったりで、伝統的な町並みに馴染む店構えは見た目にも素敵です。

バー「菊のしずく」と映画の舞台

暗がり坂周辺には、小説や映画の舞台になった店もあります。暗がり坂下にある「金澤町家BAR 菊のしずく」は、映画『いのちの停車場』(2021年公開)に登場する「酒場STATION」のモデルといわれます。
作中では暗がり坂の情緒ある風景が印象的に使われ、公開後はファンが訪れるスポットとなっています。暗がり坂を歩いた後は、映画と同じ場所でその雰囲気に浸ってみるのも楽しいでしょう。

暗がり坂の見どころと散策ポイント

暗がり坂は時間帯や季節で異なる顔を見せるのが魅力です。快晴の昼間は部分的に陽が差し込み、夕方になると町家や街灯の灯りが坂を彩り一層風情が増します。雨上がりには石畳に水が光り、格子戸に滴る雨粒が幻想的な情景を生み出します。また、暗がり坂と続く「あかり坂」をセットで歩く散策コースも人気です。行きは薄暗い暗がり坂、帰りは灯りがともるあかり坂を上ると、金沢らしい「陰と陽」の風景を一度に楽しめます。

夕暮れ時と雨の日の幻想的な風景

暗がり坂は、夕暮れ時に特に幻想的な雰囲気になります。日が沈むと町家の窓や街灯に灯りがともり、石畳や格子戸がオレンジ色に染まります。しんと静まった石段に浮かび上がる灯りは、金沢らしいノスタルジックな情景を作り出します。
また、雨上がりや雨天時には、濡れた石段が気品のある光沢を放ちます。雨に濡れた竹垣越しに差す光が艶やかで、傘を差してでも歩いてみたくなるほど、しっとりとした趣があります。

暗がり坂とあかり坂を歩いて巡る

暗がり坂とあかり坂を組み合わせて巡ると、金沢散策はさらに充実します。暗がり坂を下りて主計町の町並みを楽しんだ後、帰りはあかり坂を上るルートがおすすめです。
あかり坂は夕刻以降に街灯や家々の灯りが坂を照らすため、暗がり坂とは対照的に明るい雰囲気です。この二つの坂を歩くことで、違った表情を持つ金沢の風景を一度に味わえます。

写真撮影のおすすめポイント

暗がり坂での写真撮影にはいくつかコツがあります。おすすめは石段中腹から見上げるアングルで、連なる格子戸と雨で濡れた石段の奥行きを強調できます。夕方や雨上がりに訪れて撮影すると、町家の灯りが淡い光を石畳に投げかけ、幻想的な雰囲気が強調されます。
また、暗くなってから三脚を使い長時間露光すると、街灯の光跡や水面の輝きが映り込み、一層アートな写真が撮影できます。「光と影」というキーワードを意識すると、金沢らしい原風景を写真に収めることができるでしょう。

暗がり坂へのアクセス・行き方

暗がり坂は金沢市街地の中心部から徒歩や公共交通機関で気軽にアクセスできます。JR金沢駅からは、駅東口(兼六園口)のバスターミナルから「金沢周遊バス」や市内線バスに乗り、主計町(かずえまち)茶屋街付近の橋場町(はしばちょう)バス停で下車。
そこから徒歩3分ほどで暗がり坂に到着します。金沢城公園や兼六園から歩く場合は、浅野川沿いを散策しながらひがし茶屋街や梅ノ橋を経由して訪れるルートがおすすめです。

バスと徒歩でのルート

金沢駅からは、兼六園方面へ向かうバスが便利です。たとえば「西回りバス(兼六園方面)」では橋場町バス停が最寄りで、ここから暗がり坂まで徒歩すぐです。また、ひがし茶屋街(東茶屋街)から歩いてくる場合は浅野川沿いを歩き、梅ノ橋を渡って主計町側へ向かうと分かりやすい道順です。
兼六園口から歩いて約30分ほどでも到着できるため、金沢城周辺の観光ついでに歩いて訪れる人も多いです。

車やタクシーでのアクセス

車の場合、金沢駅から国道157号(百万石通り)を南下し、主計町交差点付近の駐車場を利用すると便利です。周辺には複数のコインパーキングがありますが、週末は混雑しやすいので早めの駐車がおすすめです。
タクシーなら駅から約10分で「暗がり坂」で通じます。夜間は道路も空いているため、タクシーでの移動がスムーズです。

まとめ

暗がり坂は金沢の歴史と情緒が詰まった魅力的な観光スポットです。主計町茶屋街の裏通りにある石段坂は、昼でも薄暗く風情に溢れ、歩くとまるでタイムスリップした気分に浸れます。坂上の久保市乙剱宮や周辺の博物館、坂下のカフェやバーまで丸一日楽しめるエリアです。訪れる際は歩きやすい靴とカメラを忘れずに、暗がり坂と隣のあかり坂の両方をゆっくり巡って、金沢らしい陰影のある風景を満喫してください。

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